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『マルタカ』の事例メモ その15-石材補修・再生-

石材ドクター・杉本治郎『マルタカ』の事例メモ
その15 -石材補修・再生-

物件名 : 湯河原の元湯を引いた団体施設の風呂場
石材材質 : 白御影石
目的 : 経年の汚れ除去
使用薬剤 : 酸性薬液
使用器具 : タガネ、スクレッパー
ポイント :  常に外国から関係者が来日するため、施設の石を綺麗にしようと、サンダーなどで研削した。しかし、修復出来なかったとのことで、相談を受けての仕事となった。
 経年の温泉水により、石が赤く変色し、更に白華が積み重なった状態だった。

 表面をサンダーで研削したが、除去出来なかったとのことで、薬液を使って徐々に溶かすことから始めた。白華が厚い箇所はタガネでハツルことにし、浴槽(黒御影石)はスクレッパーなどで白華を除去した。
 酸性薬液を塗り足しながら、一室を4~5時間で除去。もう一室は予め薬液を漬け置いた。基本的には酸による白華除去だが、黒御影石の浴槽に飛散しないよう気を付けた。

 酸性薬液を使用のため、後で中和作業が必要であり、重炭酸ナトリウム(重曹)使用による処理を行った。
 漬け置くだけでの除去は困難と判断し、常にタガネなどで白華を崩すようにして、二箇所の浴室の汚れ除去作業を終了した。

一言 : 薬液での除去の場合、薬液の強弱により除去時間が変わります。
除去時間の調整が必要です。
エピソード:  私が、この仕事(石材再生)を始めるきっかけとなった仕事です。

 20年ほど前に、私の実家(石工具製造の鍛冶屋)の手伝いで石屋さんを廻っている時に、ある石屋さんの会長から依頼を受け、除去作業を行いました。
 その時に、そこの奥さんに大層喜んでいただき、「これは商売になるわよ」と言われ、会長からは日本橋のビルのオーナーを紹介されました。そして、そのビルの壁の研磨作業を行い、それがこの仕事に入るきっかけとなりました。

 初めての仕事を褒められ、気持ちよく始めた仕事ですが、その後のいろいろな現場との遭遇を考えると「今までよくやって来た」と思います。
 この仕事を始める時に、ある石屋さんの老石工からいただいた「あんた一生悩む仕事を選んだね!」の一言は、まさにその通りです。
 今も悩み続けています。


作業前

作業後


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