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『マルタカ』の事例メモ その9-石材補修・再生-

石材ドクター・杉本治郎『マルタカ』の事例メモ
その9 -石材補修・再生-

物件名 : 千葉のお寺の墓
石材材質 : 白河石
目的 : お墓外柵の本焼き補修
作業概要 :  同種の石材を加工して接着。境目を加工して、判らないようにします。普通はこれで終了です。
 白河石は、特に屋外での場合、爪先ほど小さな箇所であれば問題ありませんが、より大きな箇所では補修材での修復は出来ません。補修材の材質が樹脂のため、雨などで濡れた場合に、水分をはじいてしまいます。その結果、色の変化が起こらず、石材との違いが一目で判ってしまうためです。
 この現場の場合、お施主に知られないように直さなければならないという作業のため、修復部に汚れの着色を施しました(その場で炭と土を調合して使用)。
(お彼岸の前に、墓地の歩道を砂利で固める土木工事の際、作業員がバインダーなどで、お墓の数百箇所の外柵にキズを付けてしまったため、その道路会社からの依頼による作業でした)
使用薬剤 : なし
使用器具 : ベビーサンダー、ダイヤモンドカッター、
小タタキ、平タガネ、ビシャン
ポイント : 本焼は、同種の石材を加工してはめ込みます。
境目は目地材料などで埋めます。
(普通は境目を判らなくするようなことはありません)
一言 : 境目を加工して判らないようにする場合、どうしても必要な時には画家に頼んで描いてもらいます。
(この場合、屋内に限ります。屋外だと、絵の具の部分が濡れずに、石材との違いがはっきり判ってしまうからです)。
エピソード: 『特命』
 あるお墓の前で、そのお寺の住職が「このお墓だけは、直したことが絶対に判らないように補修して下さい」と、真剣な顔で言いました。私も、いつにもまして一生懸命直しました。
 その筋の人のお墓でした。もう5年経ちましたが今でも無事に収まっています(なお、写真はそのお墓ではありません。念のため)。

作業中

作業後
(この後、汚れ着色)


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