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ビルメン、大麻、グリーン化

ビルメンテナンス情報
ビルメン、大麻、グリーン化

著 木村光成 さん

 最近、大麻問題が大きく報じられている。しかも最近は大麻の栽培が主流と言われている。
 ビルメン業界と大麻は無関係のはずである。ところが、そうとも言い切れない面がある。新宿、池袋、渋谷など、繁華街の公共施設メンテである。ロッカーがこれらの隠し場所に使用される。そして、公共トイレである。
 このように考えると、意外にこの問題はビルメン現場の身近に存在する。我々ビルメン現場も、大麻撲滅に協力できる機会はかなり多いといえる。

 その一方、ビルのグリーン化が叫ばれている。最近は花や樹木だけでなく、ミツバチまで飼育して、銀座はちみつとして販売されている。

写真:渋谷区役所

 グリーン化は、特に外装メンテナンスに大きな影響を及ぼしている。
 まず、外壁に伝わる水には、グリーン化による植物起源の有機物による汚れが含まれてくる。次に、グリーン化に使用される水は再生水であり、この中に含まれるカルシウム、ケイ酸などの汚れが増加している。特にガラスの鱗が増えている。
 これらの汚れは、グリーン化によるビルメンの負担を増やす要素になっている。その上、屋上の植物の種類も、まだ十分な検討が加えられておらず、手探り状態である。

 特殊な例であるが、5年ほど前にビルメン業者が大麻栽培で摘発された事例がある。
 2004年8月、東京のあるマンションの屋上で、大麻が栽培されていた。あるビルメンの委託管理人が内職に栽培していたもので、給料が安いことが栽培の理由といわれている。このビルは委託人に任せきりで、所有者は全く顔を出していなかった。大麻の発見も、屋上への立ち入り禁止と背の高い植物から、住人が警察に通報したものであった。
 この事件には、委託管理人の給料があまりに安いことと同時に、内職を黙認する風潮が背景にあったと言われており、広い意味では、ビルメン業界の労務管理に原因があるといえる。

 グリーン化は、ビルメン現場にかなり負担がかかる。
 地球温暖化防止やエコ、リサイクルは、ビルメン現場に負担や犠牲を伴うことを忘れてはならない。
 いくつかの区役所が、電力計を貸し出し、節電を呼び掛けている。だが、エコを追求するのであれば、電気製品は使わないことであり、電気掃除機より自在ほうきが優れていることになる。そこで、電気掃除機を禁止したなら、どうなるだろうか?
 グリーン化やエコ運動は、一人現場のような丸投げ現場にしわ寄せがいくのが、ビルメンの現状である。現場への低価格丸投げは、このような事例を今後も起こしかねない。

 最近、ビルメンイメージアップ研究会(BIU研究会)の活動が盛んである。しかし、ビルメン現場への、モラルの一方的おしつけや称賛だけでは、ビルメン現場は決して良くならない。
 現場への物質的、精神的、待遇面の改善が第一である。
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