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ビルクリーニング池田さんの退職

ビルメンテナンス情報
ビルクリーニング池田さんの退職

著 木村光成 さん

 2008年は、長年協力いただいた方々がビルメン業界を去って行った。
 その一人がビルクリーニングの池田さんである。中間に9年間抜けているが、それを入れると35年になる。
 70年当時、カーペットクリーニング機械クラークの販売を行っていた、(株)岡村製作所の機械部が赤坂山翆ビルにあり、その2階に東京ビルメン協会があった。そこに池田さんが入社されていた。また、全国ビルメンテナンス協会があり、久保氏がビルメンテナンスの編集長をしていた。
 当時の赤坂は、キャバレーミカドや隣にはデビ夫人がいたコパコパーナがあり、前には有名料亭といった一昔前の赤坂であった時代である。その後、全国協会は森ビルへ、東京協会は四谷へ移り、さらに後に現在の地に移転した。
 この全てを現場の目線から見ている人は、池田さんしかいなかった。当時からの人たちは、雲の上に登り現場に対しては依らしむべし、知らしむべからず、の状態にある。

 80年代までは、まだ協会誌に現場の研究を紹介することができたが、現在は不可能である。
 その中で、クレーム情報や販売目的のない技術情報を資材業者の反対を押して掲載していただけたことは、本音が言えないビルメン業界で、ある程度ネット発表ができる雰囲気を作り出す効果があった。
 その手始めは2004年から25回の連載になった。木床のメンテナンス技術考100ページである。
 この資料は約10年間、反対圧力が強く、発表できなかった資料であり、これにより現場にある基本資料は残しておけることになった。また、より発表が難しい清掃機械の性能と管理についても、おもしろ機械学として1年間連載できた。これが、現在でも反対が強く、行われていない清掃機械の正しい性能表示と性能管理が行われる糸口になればと考えている。
 掃除機のJISにも、ISOのダストピックアップ率が取り入れられている時代、今後重要な働きをする自動床洗浄機の性能表示が、機械の幅と速さだけでは通用しなくなる。


 池田さんの記事に助けられた現場は多いはずである。
 また、川崎のスクエアビルにおられた横河さんにも、10年間ご協力をいただいたが、残念ながら本年急逝された。
 同氏には貴重な現場情報をいただき、重要な情報源の1人であった。特に積算&見積もりのバックアップ資料である、入札に関する管理会社やコンサルタントの値切り手法についての分析資料は、貴重なものである。
 また、資機材のクレーム予測についても、多くの情報をいただいた。特に、中国花崗岩の染色仕上げについての最初の情報は、後に多くの現場を救う元になった。

 30年以上続いているメンテナンス情報は、支えてくれる現場の人たちのおかげである。
 情報だけをただ取りするビルメン本社関係者や指導講師が多い中、お二方の喪失は大きな痛手であるが、やはり時の流れであろう。
 長い間のご協力を、ビルメン現場を代表してお礼を申し上げる。

写真:中国花崗岩色落ち
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