現場で出来る洗剤、床材などの見分け方(概略)
ビルメンテナンス情報
現場で出来る洗剤、床材などの見分け方(概略)
著 木村光成 さん
始めに
現場でできる洗剤、掃除機、床材の見分け方は、簡単な材料でできる判別技術ですが、20年間資材商組合やビルメン協会の反対で、公開できなかった。しかし、ダスキンDM会にセミナーによる公開を定期的に引き受けてもらえたため、その概略を発表できるようになった。
建築資材の種類がますます多様化しています。
特に石材、カーペットなど、代表的床材は中国産が多く、クレームの原因となっています。
一方、地球温暖化防止のためのエコ資材の増加、吸着性壁材、珪藻土やリノリウム、コルクなど、難しい材料が増えています。
クレーム防止の第一は、素材の見分け方です。クレームの原因になる洗剤や建築資材を、いち早く知ることです。しかし、危険な洗剤や性能偽装の掃除機、危険な建築資材を発表すると、必ず圧力や妨害が起きるのが、この業界の特徴です。
特に資材商組合が問題です。偽装商品の方が利幅が大きいからです。ワックスメーカーや洗剤メーカも、現場のクレームを真剣には考えていません。これらのメーカーが現場に来ても、判別薬品ひとつ持ってきません。そこで、クレームの被害は現場が受けるだけです。
これらの技術は、もともと林喬先生、森谷先生の提唱で、現在150項目を越えます。
本来は、床材の種類判別については、そのビルの使用床材資料を調べて、メーカー名から材質を知るのが本筋ですが、現実には『資料が残っていない』『現物と資料が異なる』などの原因で、判らない場合が多くあります。
また、洗剤、機材については、大手の場合は安全ラベルに偽装は少ないのですが、輸入品などはかなり偽装や未公表が多く、公的機関の分析結果が付いていても、検査依頼品が販売品と同じ保証はありません。自分自身の目で確認するのは1番安心なのです。
そして、クレーム防止の最善の方法は、クレームを予測してオーナーに提案しておくことです。
1:
簡易判別技術とは、現場の人たちが手元の資材でできる技術で、現場のレベルアップに必要な基本技術です。
以下その一部を列記しますので、必要性を認識してください。
A:簡易判別技術の必要性
クレーム防止。
ゼネコンなどの現場への押し付け責任回避。
オーナーへの説明。
B:簡易判別技術の注意点
簡易判別はあくまで簡易判別であり、100%のものではなく、必ず理論を身につけたうえで実行する。
たとえば、PH試験紙の使い方だけでも、細かくは30種以上ある。
C:簡易判別技術の特徴
使用機材は小型で持ち運びが簡単。
試薬もできるだけ身近なものを使用する。
D:実験計画法に沿って行う
例、小型試験管とZ型試験管立て、1ccパスツール、小型円形容器、点眼容器。
2:
現場でできる簡易判別技術の実際
青字:使用機材と手順
A:さびの出る石材の見分け方。
石材の多様化により、白系の石材へのさびの発生が増加。
その責任をビルメンがとらされる事例がある。
B:ガラスクレームの見分け方。
コーテング面判別、フイルム面判別。
機能ガラスの増加により、蒸着面の傷、フイルムの傷、熱割れなどの事故が増加している。
それらの事故防止のため、蒸着面がどちらか、複合ガラスかどうかの判別、フイルム面の判別。
C:トイレの水の簡易分析。
トイレや植栽の水は、中水(再生水)が使用されている。それらの水は、金属分を含んで硬度の高い場合がある。
これが原因で、トイレの水垢、植栽の水によるガラスの鱗などが引き起こされる。
この判別を行い提案しておく。
D:剥離水クレームの防止法。
高級マンションなどで浄化槽がバイオ形式の場合、剥離水や換気扇などのアルカリ洗浄水によって分解バクテリアに被害が起き、弁償問題が起きている。
形式だけでも処理方法を決めておく必要がある。
E:石材とビニールタイルの見分け方。
天然石材、セラミック、ビニールの区別。
F:撥水剤の見分け方(石材、カーペット)。
撥水剤の残りの推定、洗剤の残留判定、カーペットの洗浄履歴。
G:ウール判別。
ハウスクリーニングなどでは意外な高級品が存在する(毛氈)。
H:フローリングの見分け方、印刷もの、密着不良もの(ナショナルフローリング)。
密着不良が増えている。ワックス不要品に注意。
I:洗剤の簡易分析(30技法以上あるため一部を紹介)、石鹸と合成洗剤の見分け。
石鹸と合成洗剤の見分け方。長所と欠点がある。
ハウスでの営業力に関係。
J:セラミックタイルのクレーム予測判別。
現在まだ完全な方法はない。
染料、簡易顕微鏡、点眼容器。
K:ワックスの見分け方。
まず固めてみると、ワックスにもいろいろある。
小型円形容器。
L:油性染み抜き剤の判別、リモネン。
天然洗剤でもクレームは起きる。最近特に多い。
スチロール判別法、1ccパスツール。
M:1円10円判別法
貨幣は意外に役に立つ場合がある。
小型円形容器、酸とアルカリ判、苛性ソーダの判別、床の凹凸判別。
N:カレー粉によるPH判別。
ターメリックはアルカリで赤くなる。レストランの大理石に赤いしみが出て問題になった。
コーヒー、コーラの落ちない原因は?。
ターメリックはアルカリで赤く反応。
O:前処理判別液の使い方。
ワックス、塗料の判別。
ビニールタイルの判別。
石材の吸水性の判別。
点眼容器。
P:ラバータイルの判別。
アルカリ洗剤での変色クレーム多発。
燃焼試験、合成ゴムと天然ゴムの判別。
Q:リノリウムの判別。
アルカリでの変色、密着不良。
小型簡易顕微鏡、カッターナイフ、コア抜き。
R:燃える剥離剤、引火性のある洗剤、染み抜き剤のチェツク。
ライター、灰皿
S:現場カーペットの過去の洗浄歴判別。
精製水の滴下、精製水を含ませ歯ブラシでこする。
T:ステンレスの判別、13クロムと18クロム。アルミの判別。
13クロムは酸洗浄後さびが出やすい。
U:混ぜると危険6例。
V:石鹸の判別。
W:ビニールホースで掃除機の性能を測る。
現場で出来る洗剤、床材などの見分け方(概略)
著 木村光成 さん
始めに
現場でできる洗剤、掃除機、床材の見分け方は、簡単な材料でできる判別技術ですが、20年間資材商組合やビルメン協会の反対で、公開できなかった。しかし、ダスキンDM会にセミナーによる公開を定期的に引き受けてもらえたため、その概略を発表できるようになった。
建築資材の種類がますます多様化しています。
特に石材、カーペットなど、代表的床材は中国産が多く、クレームの原因となっています。
一方、地球温暖化防止のためのエコ資材の増加、吸着性壁材、珪藻土やリノリウム、コルクなど、難しい材料が増えています。
クレーム防止の第一は、素材の見分け方です。クレームの原因になる洗剤や建築資材を、いち早く知ることです。しかし、危険な洗剤や性能偽装の掃除機、危険な建築資材を発表すると、必ず圧力や妨害が起きるのが、この業界の特徴です。
特に資材商組合が問題です。偽装商品の方が利幅が大きいからです。ワックスメーカーや洗剤メーカも、現場のクレームを真剣には考えていません。これらのメーカーが現場に来ても、判別薬品ひとつ持ってきません。そこで、クレームの被害は現場が受けるだけです。
これらの技術は、もともと林喬先生、森谷先生の提唱で、現在150項目を越えます。
本来は、床材の種類判別については、そのビルの使用床材資料を調べて、メーカー名から材質を知るのが本筋ですが、現実には『資料が残っていない』『現物と資料が異なる』などの原因で、判らない場合が多くあります。
また、洗剤、機材については、大手の場合は安全ラベルに偽装は少ないのですが、輸入品などはかなり偽装や未公表が多く、公的機関の分析結果が付いていても、検査依頼品が販売品と同じ保証はありません。自分自身の目で確認するのは1番安心なのです。
そして、クレーム防止の最善の方法は、クレームを予測してオーナーに提案しておくことです。
1:
簡易判別技術とは、現場の人たちが手元の資材でできる技術で、現場のレベルアップに必要な基本技術です。
以下その一部を列記しますので、必要性を認識してください。
A:簡易判別技術の必要性
クレーム防止。
ゼネコンなどの現場への押し付け責任回避。
オーナーへの説明。
B:簡易判別技術の注意点
簡易判別はあくまで簡易判別であり、100%のものではなく、必ず理論を身につけたうえで実行する。
たとえば、PH試験紙の使い方だけでも、細かくは30種以上ある。
C:簡易判別技術の特徴
使用機材は小型で持ち運びが簡単。
試薬もできるだけ身近なものを使用する。
D:実験計画法に沿って行う
例、小型試験管とZ型試験管立て、1ccパスツール、小型円形容器、点眼容器。
2:
現場でできる簡易判別技術の実際
青字:使用機材と手順
A:さびの出る石材の見分け方。
石材の多様化により、白系の石材へのさびの発生が増加。
その責任をビルメンがとらされる事例がある。
B:ガラスクレームの見分け方。
コーテング面判別、フイルム面判別。
機能ガラスの増加により、蒸着面の傷、フイルムの傷、熱割れなどの事故が増加している。
それらの事故防止のため、蒸着面がどちらか、複合ガラスかどうかの判別、フイルム面の判別。
C:トイレの水の簡易分析。
トイレや植栽の水は、中水(再生水)が使用されている。それらの水は、金属分を含んで硬度の高い場合がある。
これが原因で、トイレの水垢、植栽の水によるガラスの鱗などが引き起こされる。
この判別を行い提案しておく。
D:剥離水クレームの防止法。
高級マンションなどで浄化槽がバイオ形式の場合、剥離水や換気扇などのアルカリ洗浄水によって分解バクテリアに被害が起き、弁償問題が起きている。
形式だけでも処理方法を決めておく必要がある。
E:石材とビニールタイルの見分け方。
天然石材、セラミック、ビニールの区別。
F:撥水剤の見分け方(石材、カーペット)。
撥水剤の残りの推定、洗剤の残留判定、カーペットの洗浄履歴。
G:ウール判別。
ハウスクリーニングなどでは意外な高級品が存在する(毛氈)。
H:フローリングの見分け方、印刷もの、密着不良もの(ナショナルフローリング)。
密着不良が増えている。ワックス不要品に注意。
I:洗剤の簡易分析(30技法以上あるため一部を紹介)、石鹸と合成洗剤の見分け。
石鹸と合成洗剤の見分け方。長所と欠点がある。
ハウスでの営業力に関係。
J:セラミックタイルのクレーム予測判別。
現在まだ完全な方法はない。
染料、簡易顕微鏡、点眼容器。
K:ワックスの見分け方。
まず固めてみると、ワックスにもいろいろある。
小型円形容器。
L:油性染み抜き剤の判別、リモネン。
天然洗剤でもクレームは起きる。最近特に多い。
スチロール判別法、1ccパスツール。
M:1円10円判別法
貨幣は意外に役に立つ場合がある。
小型円形容器、酸とアルカリ判、苛性ソーダの判別、床の凹凸判別。
N:カレー粉によるPH判別。
ターメリックはアルカリで赤くなる。レストランの大理石に赤いしみが出て問題になった。
コーヒー、コーラの落ちない原因は?。
ターメリックはアルカリで赤く反応。
O:前処理判別液の使い方。
ワックス、塗料の判別。
ビニールタイルの判別。
石材の吸水性の判別。
点眼容器。
P:ラバータイルの判別。
アルカリ洗剤での変色クレーム多発。
燃焼試験、合成ゴムと天然ゴムの判別。
Q:リノリウムの判別。
アルカリでの変色、密着不良。
小型簡易顕微鏡、カッターナイフ、コア抜き。
R:燃える剥離剤、引火性のある洗剤、染み抜き剤のチェツク。
ライター、灰皿
S:現場カーペットの過去の洗浄歴判別。
精製水の滴下、精製水を含ませ歯ブラシでこする。
T:ステンレスの判別、13クロムと18クロム。アルミの判別。
13クロムは酸洗浄後さびが出やすい。
U:混ぜると危険6例。
V:石鹸の判別。
W:ビニールホースで掃除機の性能を測る。