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スプリングセミナー報告とセミナーの必要性

ビルメンテナンス情報
スプリングセミナー報告とセミナーの必要性

著:木村光成 先生

はじめに
 受注価格の低落、建築資材の多様化、ビルの建築価格の低落など、ビルメン業界、ハウスクリーニング業界などの関連業界に厳しさが増しています。対応策としては、金を掛けない効率化・高品質が求められています。
 ブランドのイメージアップが宣伝されていますが、これはあくまでも消費者が判断するもので、ビルメンが求められるのは品質と価格のはずです。品質が悪ければ、言い換えれば消費者の求める品質が得られなければ、口先だけの宣伝では生活センターに問題を持ち込まれることになります。

 ビルメン協会やビルメンイメージアップ団体は、クレームの存在を認めておりません。しかし、現場ではクレームが多発し、相談先は販売業者しかいない現状です。そして、多くのクレームが放置されているのが現状です。
 この対応は、クレーム情報をできるだけ早く現場に届けることです。そのためにインターネットは最良の手段です。
 しかし、これにも大きな欠点があります。クレームの原因や対策を説明できないことです。クレームの原因である、床材、洗剤、清掃機械などの実名が挙げられないことです。本当のことを述べても営業妨害だとの声が上がります。またインターネットでは現物を見せられません。

 これらの問題解決には、セミナーの、特に現場で実験を行える実験セミナーが必要です。 しかし、まだ大きな問題があります。会費の問題です。セミナーは無料との考え方がビルメンにはありますが、メーカー主催のセミナーは販売が目的です。自社製品のクレームや危険性を宣伝するメーカーはありません。
 その結果が、最近のクレームの原因でもあります。セラミッククレームがよい例です。
 また、最も必要な現場の人たちが参加する時間がないことも問題です。日曜日や夜間の開催を求める声が多くあります。また、ビルメン業界が研修費や研究費を出さないことも問題です。
 本年、神奈川ビルメン協会有志が発表した掃除機の性能管理研究も、人工土砂作成費6000円を受け取るのに一年かかりました。サンコン氏を公演に呼んで50万円支払ったのと比べ、あまりの差別に考えさせられます。


 3月17日開催のスプリング実験セミナーは、無事終了いたしました。
 以下簡単に今回のセミナーの内容を報告いたします。ハウスクリーニングをはじめ、本年は特に危険な建材が多く、各社で今回のセミナー内容をぜひ活かして、厳しい状況を乗り切って下さい。
 3月は入札をはじめ関連業界の多忙な時期で出席できない方も多かったため、概略についてはホームページに掲載いたします。しかし、具体的な商品名を表示できませんのでご了承ください。判別法、判別薬品などお分かりにならない点は、今後のセミナーにご参加のときにお尋ねください。

1:最近のクレーム事例と建築建材展に見るクレーム危険建材
  (事務所ビル、ホテル、ハウスクリーニングから見た)

   判別と対策
 クレーム多発の原因は、1:デザイン優先の低価格資材の増加2:エコ対応・ワックス不要資材の増加、以上の2つにつきる。
 1の代表が、中国産天然石材風セラミックタイルのクレーム多発であり、各ワックス洗剤メーカーにも、まだ完全な対応法はない。
 2の代表が、オレフィンタイルとワックス不要フローリングである。
 どのような素材でも耐久性が永遠の床材は存在しない。いつかは傷がつき、それを簡単に補正するのにワックスに勝るものはない。ところが、ワックス不要資材はワックスが密着し難い素材である。本年の夏には、東レがこの系統の床材を発売する。その内容はまだ明らかにされていないが、ビルメン業界は対応を考える必要がある。
 今後ともこの手のクレームは多発する。責任は現場に来ることは明白である。

1)ビニールタイルのワックスの密着不良
 原因は機能ビニールタイルの増加であり、問題が起きやすいのは下記の3種である。
  ・脱塩ビオレフィンタイル
  ・耐薬品タイル、ホモジニアスインレイドビニールシート
  ・ラミネートファッションタイル

2)リノリウム変色

3)ラバータイル変色
 ラバータイルのクレームが増加している。増加の原因はエコであり、また古タイヤを一部使用することでグリーン購入法の適用もあり、今後増加すると考えられる。クレームの種類は、変色、部分的溶解、密着不良の三種類である。
 クレームの危険性は、天然軟質>天然硬質>合成ゴム>塩ビ
 天然軟質の系統は、ワックスがまったく着かないものもある。
ラバータイルと類素材
分類 注意点
天然ゴムタイル 最も溶剤・アルカリに弱い。密着悪い。
合成ゴムタイル 溶剤・アルカリには比較的強い。
密着不良が起き易い。
ラバータイル風
ビニタイル
 

4)要注意フローリング
 密着不良が主なクレームであり、程度もまちまちである。
 あるメーカーのクレームを起こしやすい種類を下記に示す。
NEWオーマイティフロアー
NEWオーマイティフロアー、シグノ
NEWオーマイティフロアー、サニタリー
WBPリフォームフロアー
ウッデーモダン45耐熱タイプ
リフォームフロアーマキアージュ
ねこワンぱくフロアー

5)セラミック、セメント擬石、テラゾー
 中国産天然石材風セラミックタイルのクレームは、完全な対応策がないために続発している。
  ・表面の保護材が汚れを呼ぶ。
  ・無釉研磨品の細孔に汚れが入り取れない。
  ・白物に多い

 セラミックタイルの危険度は、磁器無釉研磨>磁器無釉粗面>磁器施釉粗面
 セラミック(陶磁器)、セメント擬石、ガラス、テラゾー、天然石の区別がなくなりつつある。判別に注意。

6)ガラスクレーム
 クレーム増加の原因は、以下の2つを洗剤・清掃資材の使用により傷をつけるクレームが大半である。 ・機能ガラスの増加。建築資材展にも機能ガラス協会が出展している。
 ・ガラス用フィルムの多様化。


2:トイレメンテナンスの変化
 日常管理用のクリーンクルーの集まりが悪い現場からの情報では、鳥インフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が話題になっているため、この影響とも考えられている。これらに対する現場対策を業界として行う必要がある。
 また、本年4月から行われる機会均等法の問題も、トイレ清掃現場に大きな影を落としている。


3:2008年東京都庁受注価格分析
 今回は、まだ全部が発表されていないため、発表データの配布にとどめ、本格的分析は5月セミナーで行う予定である。


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