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『大桟橋は外装用木材の宝庫』

ビルクリに学ぶ
『大桟橋は外装用木材の宝庫』

著 木村光成 先生

 横浜にはビルメンの教科書になる現場が不思議に多い。この大桟橋も歴史的桟橋である。筆者が子供の頃、1941年11月に偶然サンフランシスコ行きの大型客船を見に行き、その船は12月8日に日米開戦と同時に太平洋の途中で引き返したことを鮮明に覚えている。その大桟橋は、外装用木材をふんだんに使った建物に生まれ変わった。おそらく木材をこれだけ使った建物では日本一であろう。
これらの木材は水に強い外国材で、アフリカやオーストラリアなどから輸入されている。丸ビル、ランドマーク、六本木ヒルズ、などの各所でも使用されている。非常に硬く、重く、水に強い。
以下代表的樹種を示す。

これら材種の使用場所は別荘のテラスが主流である。昔から使用される外装用木材の代表はチークである。ヨットやクルーザーの甲板にも使用されるが価格が高い。わが国では浴槽などにはヒノキが使用されている。また外装材では松脂を含むマツ材が耐水性が強い。自然回帰ブームで塗装をせずに木地のまま使用するのが好まれる。メンテ法に注意が必要である。

外装に使用される木材
  名称 比重 産地
1 チーク 0.56 金褐色 東南アジア
2 エッキ 1.12 茶褐色 アフリカ
3 ジャラ 0.9 赤褐色 オーストラリア
4 ドゥッシー 0.8 淡い赤褐色 アフリカ
5 イペ 1.12 緑褐色 南米
6 レッドウッド 0.40 淡赤色 北アメリカ
7 アンデスチーク 0.90 金褐色 南米
8 ヒノキ 0.41 淡黄色  
9 赤松 0.45 褐色  
注:ヒノキは旅館や家庭で向けで、ビルにはあまりない。松はヤニの関係で少ない。以前使用された栗は現在外材の方が安い。


 写真は大桟橋の内部である。
この写真は完成直後であるが、メンテ法の研究や材種の経年変化、汚れの度合いを観察し、自社の現場と比較を行うためのサンプルビルとしては最高の現場である。

 これ等の外材は硬く、木目がしまり、重い。中には水に沈む樹種もある。これ等を考慮してフロアパットを選択する。クレームとしては凹凸や掘れが起きやすい。

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