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『あらゆるエフロが見られるドックヤード』

ビルクリに学ぶ
『あらゆるエフロが見られるドックヤード』

著 木村光成 先生

 横浜にはすばらしい石材が残っている。
ランドマークにあるドックヤードは、わが国有数の古いドックで文化財といえる。現在ではイベント広場として多目的に使用されている。ここに使用されている石材は小松石で、関東では墓石として重用されている。特に真鶴半島で産出する小松石を本小松と呼んでいる。

1:エフロの分類
この現場の特徴はエフロである。
ここではあらゆる種類のエフロ(ビルメンテナンスの立場での、広義のエフロ)と、その形態を見ることができる。
エフロは―― 1・炭酸カル系 2・ケイ酸系 3・塩カル系 4・これらの混合物 ――の4種が見られる。なぜこれだけの種類のエフロが見られるのかはわからない。

2:エフロの外観
エフロの外観は―― 1・粉末状 2・ゲル状 3・鍾乳石状 4・石状 5・石材内部エフロ

3:エフロの責任
エフロは一部を除いてビルメンには責任はない。これを必ず前提にして、オーナーへの提案と、除去作業を行う必要がある。簡単に取れるものから除去不能のものまで各種あり、安請け合いをしてはならない。
最近は再生水(中水)が多くなっている。この水がエフロを含んでいる場合が多い。トイレのエフロはビルメン泣かせである。

4:石材メンテナンスからビルの健康状態がわかる。
ビルは鋼材とセメントで作られていると考えても良い。床、外装、壁面などのメンテナンスを請け負うビルメンテナンス業は、毎日これらと向きあって作業しているため、少しの変化にも気がつく立場にある。
今までは、これらビルの健康状態の変化は、提案書や報告書に記載することを禁止されていた。しかし、最近はビルの資産価値を維持する観点から、ビルの劣化の報告は重視されつつある。

5:ビルの劣化のデータ報告には複数年複数年契約が必要
最近、複数年契約が推進される理由に、ビルの資産価値低下の防止、すなわちビルの健康状態の報告データが挙げられる。このデータを作成するために、複数年契約が必要なのである。インスペクター報告の中に取り入れはじめたビルメンもある。
しかし、協会石材テキストからも、ビルの劣化防止の項目が削除され、実質的には研究が禁止されている。この解禁が必要な時期に来ている。


写真、珪酸系エフロ。
現在、この水は止まっている。この石材もカルメンの名がついた珍しい石である。

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