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神奈川障害者技能競技大会

2006年12月2日
第4回 神奈川県障害者技能競技大会
ABILYMPIC KANAGAWA2006

実施日:平成18年12月2日
会 場:神奈川障害者職業能力開発校
主 催:
神奈川県
(財)神奈川県雇用開発協会
後 援:
神奈川労働局
神奈川県職業能力開発協会
神奈川新聞社
tvk(テレビ神奈川)
協 賛:
(社)神奈川県技能士会連合会
(社)神奈川県ビルメンテナンス協会
コカ・コーラセントラルジャパン(株)
日産自動車(株)
(株)メイコー

 去る12月2日、神奈川県が主催するアビリンピック/障害者技能競技大会が開催されました。
イベント名には『競技大会』とありますが、当然、ハンデのある方でも仕事をこなせると示すことが重要で、競技の勝敗に、たいした意味はありません。
競技職種には、ワープロ操作やCAD作業(身体障害者)、電子機器組立や喫茶サービス(知的障害者)、視覚障害者によるパソコン操作などがありました。そのなかで今回お伝えするビルクリーニング(知的障害者)は、最も参加者が多かったそうです。

競技大会開会式の様子。
主催の神奈川県知事から挨拶がありました。


ビルメンテナンス競技の会場。

競技1:カーペット床清掃

競技内容:床面のバキューム作業
作業手順:作業準備 → あいさつ → 掃除機による除塵 → あいさつ → 終了
競技時間:7分以内

タイルカーペットの敷かれた競技コートと、競技に使用する掃除機

ポイント:
最近、多くのビルで敷かれているカーペット床(20平方メートル)を想定し、指定時間内に挨拶からカーペット床面のバキューム作業を行い、作業の効率化、資機材の取扱、清掃の正確性を競います。

競技映像1(AVIファイル/約3分/18MB)

競技映像2(AVIファイル/約4分/27MB)

競技2:弾性床材事務所清掃

競技内容:床面の掃き作業 / 床面の拭き作業 / コート内ゴミ箱のゴミ処理 / 机の上の拭き作業
作業手順:
作業準備 → あいさつ → ゴミ処理 → 作業準備(いす・ゴミ箱を机の上に置く) → ダストモップによる除塵 → 自在ほうきによるゴミ回収 → モップによる拭き作業 → ウェスによる机上拭き作業 → ゴミ箱のセット → あいさつ → 後始末 → 終了
競技時間:12分以内

弾性床の事務所を想定した競技コートと、作業用具一式

ポイント:
ビルの事務室内(20平方メートル)を想定し、指定時間内に挨拶から床面の掃き・拭き・ゴミ処理・机上拭きの、ビルクリーニング業で行われる基本作業を行い、作業の効率化、資機材の取扱、清掃の正確性を競います。

競技映像3(AVIファイル/約4分/28MB)

競技映像4(AVIファイル/約3分/21MB)


競技の様子を拝見する限り、参加者は真面目に取組み、作業していました。少なくとも、決まった手順を消化する能力は、十分あると思えます。もちろん人それぞれ手際の良し悪しはありますが、それは誰が参加しても同じことで、障害者であるか否かは無関係に感じられます。参加者のなかには、そうと知らなければ障害があるようには見えない人もいました。

一方で、時折、ことに作業前や終了時の資機材取扱い時に、やや手間取る様子も見られました。たとえば、掃除機を収納するのに手間取って、ホースが暴れたり、電源コードを絡ませてしまったり……といったことがありました。
特に、作業前後の挨拶がハキハキしていた人ほど、手間取る度合いが強かった気がします。
もしかすると、一所懸命に取組んでいる分、観衆の前で完璧に作業しなければ……と、プレッシャーがかかって、いざとなると混乱してしまったのかもしれません。


最近、世間では障害者の雇用を促進、なかには障害者の採用を指定する動きもあるようです。
これを慈善事業(「我が社では公共公益に配慮して、障害者を雇ってあげています」とアピールするために雇う)だとか、義務の消化(指定されたから頭数だけ揃える)とかいうのではなく、できる事とできない事を見定めた上で、任せられる事は任せるようにすることが、雇用する側される側、両者にとって最善でしょう。
彼らに、何ができるのか? 何を任せられるのか? 雇用する立場にある方々には、こういった競技大会や発表会を見学することで、それを確認していただけるようになれば幸いです。


さて、競技の見学中、少々気になることがありました。
たとえば、ある競技者が清掃作業を終え、資機材の片付けで『清掃中』の看板を回収するのを忘れました。手順を飛ばしたといえば、その通りなのですが、単に看板を回収する前に、作業カートを終了の定位置に移動させようとした、ただそれだけの、ホンの一瞬の出来事です。
その次の瞬間、コート外から「看板!」と声がかかりました。競技者がハッと身を硬くすると、続いて「回収!」と声がかかり、競技者は慌てて看板を回収しました。
その声の主は、普段から競技者を指導している指導員だったのでしょう。

看板の収納を忘れた。それくらい、誰だって偶にやる、ちょっとした忘れ物でしょう。
気がついて、数歩戻ればフォローできるミスです。むしろ、この競技会で問われているのは、そのミスに自ら気がついてフォローする判断力の有無であって、彼ら自身が、普通の人々と同じように対応できることを示す場であったはずです。
しかし、この競技者は、ちょっとした忘れ物に自分で気づく暇すら与えられず、判断力の有無を示す機会も無く、ただ突然の怒声に戸惑う姿だけを印象に残して、競技を終えてしまったのです。

こういったことが、もう一人か二人の競技中にありました。その声が、同じ指導員かどうか定かでありません。おそらくは、自分の生徒が作業をやり残さないように……と、心配してのことなのでしょう。
しかし、あの場で耳にした怒声には、どうしても疑問を抱かずにはいられませんでした。

※競技大会は『神奈川障害者職業能力開発校』で行われましたが、競技者は複数の訓練校などから参加しており、それぞれの競技者や指導者が、何処から参加しているのかは不明です。したがって、上記した指導員の印象は、この能力開発校に対する評価や印象とは無関係です。一応、念のため。

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