メインメニュー
広告エリア
湖南商会 横浜管財 バナー広告募集中

ゴンドラ落下事故

ビルメンテナンス情報
ゴンドラ落下事故、現場情報の取り上げを

著 木村光成 さん

 5月19日、豊洲でゴンドラ事故が起きた。5階付近からの突然の落下であった。
 幸いにも1階の植栽がクッションになり、死亡事故にはならなかったが、1名は脊髄の損傷があり、予断を許さない。
 原因はドラム軸の折損によるとも言われているが、軸の折損は電車の車軸の折損と同じ、重大事故であり、欠陥品の可能性も否定できない。このゴンドラは、1ヶ月前に点検を行ったとのことである。このビルは昨年10月に完成したばかりで、ゴンドラの使用回数も多くないと考えられる。疲労による切損とも考えにくい。
 渋谷西部事故と同じであれば、この部分の非破壊テストなどを義務化する必要があり、また、万一の折損にも対応できる設計が求められる。いずれにおいても西部事故との比較分析が必要である。

 また、ゴンドラ事故の前兆と思える事例を、かなり我々は眼にしている。
 それはゴンドラからのオイル漏れである。この例は、かなりの数が存在する。

 右写真の現場は、ある商社の本社ビルで、石材も高級品であった。そのうえ天然石であるため、ポリ洗浄やモップ拭きでは汚れが落ちず、大きな問題になった。
 除去は、吸着法と現場にあわせた溶剤を配合して、天候に合わせて蒸発速度を調整して行った。費用はゴンドラ会社が負担した。しかし、不思議なことは、石の汚れは問題になったが、ゴンドラの整備問題は話題にもならなかった。

 大型ビルの周囲全部に、ゴンドラからオイルが落下しており、かなりの量のオイルがなくなっているはずである。ゴンドラの構造は知らないが、もし油圧用オイルであれば、ブレーキなど効かなくなる恐れがある。
 下には交通整理員が常時ついており、油漏れには気づいたが、洗剤と考えていたとのことである。

 子の責任はどこにあるのだろうか。
 万一の場合、被害者はゴンドラの作業員である。
 豊洲事故の場合は、ゼネコン、大手ビルメン、ガラス業者であり、少なくとも孫受け以下である。となると、ビル管法の問題も起きるのではないだろうか。

 いずれにしても、汚れより人命の危険が優先するはずである。
 この問題をビルメン協会に伝えると同時に、この写真は協会の石材メンテナンスに載せるとのことで、ゴンドラのオイル漏れについても記載することをお願いしたが、編集委員は『ゴンドラと石の汚れは無関係』とつれない結論であり、労災関係にも関心さえ払わなかった。

 現在増加している手あれや弗酸による事故も、皮膚科学会から指摘される前に対応してもらいたかった。
 現場の声は、まったく協会や関係官庁には届かない。

 

 

 

 

 

 


この記事をソーシャルブックマークへ登録する: はてブ Yahoo!ブックマーク twitter

ページ先頭に戻る