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リンサーウオンドの種類と使い方

ビルメンテナンス情報
リンサーウオンドの種類と使い方

著 木村光成 先生

この夏、カーぺットの縮み事故が増加している。高級店舗、ホテル、マンションなどで、ウール仕様が増加したのが原因である。
ウールのフォルムアルデヒドなどの吸着作用が話題になっているのが理由であり、色調は流行の地中海風にあわせたベージュや白に近い淡いパステル調が多い。そしてカット物より、ループ&カットやハイロウの組み合わせなど、凝ったものが多い。もちろんシャギーも多い(写真はロングシャギー)。
 これ等のクレームは、白物では圧倒的に吸い上げによる再汚染である。原因は「前処理剤」「機械の吸引力不足」などが多いが、意外に見逃されがちなのが「リンサーウオンドの整備不良」であろう。

リンサーの普及から30年。各種のウオンドが各種の機械に組み合わされ、使用されている。
特に、下請の定期清掃専門業者の場合、短時間に汚れのひどい現場を処理するために、日常では使用されない大型の機械が多く、ウオンドも特殊なものを使用している場合が多い。
その場合見落とされがちなのが、水を吹き付けるノズルの整備不良である。最近、この技術を知らない作業者が増えていて、これがこの夏のクレームにつながった可能性が高い。

大型リンサーのノズルの先端には、ノズル番号と呼ばれる数字が打たれている。4桁または5桁の番号である。そのうち前の数字はスプレーの開き角度であり、後の数字は水量である。例を挙げると、標準圧力4kgの場合、9510は95度の開きで1分間に10リットルの水が吹き出すという表示である。
プロは何種類かのノズルを持ち、使い分けを行って、濡れ過ぎを防いでいる。特に最近のウオンドはタイルカーぺットを対象にしているため、水量が多いノズルを装着している。このことを販売業者が知らないのが現状である。ウールの白物の場合、02、03が多い。1分間2リットル程度である。これで時間をかけ作業するため、濡れ過ぎが防げる。
タイルカーペットはクレームがないため、ウールの織カーぺットの定期清掃技術が失われている。これ等のクレーム要注意カーぺットは、セミナーで現物を説明している。
以下リンサーウオンドの種類を示す。

写真2:
ステンレスウオンド。
最近は堅牢さが買われ、プロ用の主流になっている。ノズルは1個であるため調整の必要がない。

写真3:
ウエイトつきウオンド。
吸い上げ効果を挙げるため、吸い口の先が鋭角になり、密着度を上げている。現場では前方も角度をつけ、押しにも使用できるように改造している例が多い。数メートル引いて押す作業を行うが、効率は悪い。
写真4:
ノズルを7本装着した大型ウオンド。
実測吸引力3000ミリ以上ないと吸水率が悪く、クレームがおきやすい。
ノズルが7本になるため、水の出がばらばらになりやすく、ポンプ圧を上げ、ノズルの数を減らして使用している例が多い。
アルミ鋳物製。
写真5:
アルミ鋳物製の場合は、ヤスリで吸い口の角度がつけやすいため、前後に使用できるように改造している専門業者が多い。
これは珍しい2本ノズル。

日常管理用の小型リンサーは、ほとんどプラスチック製のウオンドが多く、先端に磨耗防止のステンレスがかぶせてあるタイプが多い。また、ノズルも樹脂性でノズル番号のないものが多い。
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