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木床壁際の変色

ビルメンテナンス情報
木床壁際の変色

著 木村光成 先生

フローリングのクレームが増加している。
アフリカ、オーストラリア産の外装用木材は、水につけてもなんとも無い。しかし、内装用のフローリングは、塗装が無ければ水に弱く、反り返り、割れなどが起きる。
ハウスシック問題で、フローリングの構成要素である接着剤や塗料などの、耐水性や対洗剤性が大幅に低下している。
たとえ表面が塗装されていても、つなぎ目は無防備であり、木は乾燥すると収縮する性質があるため、施工時よりつなぎ目が広がっていることが多い。当然、洗剤や剥離離剤がつなぎ目から流れ込み、釘うちの場合は裏側まで洗剤が回ることになる。

 ところでフローリングの場合、最も水を吸いやすい部位は木口(こぐち)であり、板に直角面である。板材は構造的に、根元から水分や養分を吸い上げるパイプ・導管を束ねたような構造になっている。
左写真のクレーム事例では、壁際の隙間に入り込んだアルカリ洗剤が、導管を通り、内部に入り込み、変色を起こしたと考えられる。壁際から5センチぐらい針を束ねたような変色が見られる。
対応は、過酸化水素を壁際からスポイトで吸い込ませることで、変色は抜けることが多い。この場合35%ではなく、弱いものからテストすることである。時間をかけたほうが結果は良い。

 2枚目の写真はケヤキの木口で、導管の断面が良く見える。
変色の原因は、アルカリ洗剤による色素の黒化である。ラバーウッド、米杉など、白木に多い。もちろん無垢材や、ある程度の厚みのある場合にも起きる。
写真ではそれほどではないが、現場ではかなりひどい状態である。
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