2006年入札に向けて 石材艶戻し技法の動向
ビルメンテナンス情報
『2006年入札に向けて 石材艶戻し技法の動向』
著 木村光成 先生
最近、石材の研磨のクレームが増加している。
それはフランチャイジーをはじめ、各種のメンテナンス技法が売り込まれているのが理由である。
これらの技法は同じ現場で重ねて使用できないものが多い。また、石材の種類により効果のないものが多い。これらの欠点、注意点を、販売業者が余りよく説明しないのが原因といえる。
また、ビルメン業者は他社他業界の技法を知らず、ダイアモンドパット技法しか知らない場合が多い。特にダスキンなどの技法についての知識がない。これは今まで下請け業者に丸投げしていたのがその理由である。しかし現在は価格の面で下請けを使えなくなっている。
研磨自体も行われなくなりつつある。なぜならば石自体の価格破壊により、研磨より交換のほうが安くなっているからだ。それどころか、ライムストーンなどの新石材は、十分な撥水剤を使うと石材の価格を超えてしまう。
そのため最も低価格なワックス塗布技法が増えている。
その理由は――
石材艶戻し技法は低価格競争であり、ほとんどの場合見積もり合わせになるため、各種の技法の受注価格と特徴を知る必要がある。
以下、広い意味での研磨法の一覧と注意点を示す。
『2006年入札に向けて 石材艶戻し技法の動向』
著 木村光成 先生
最近、石材の研磨のクレームが増加している。
それはフランチャイジーをはじめ、各種のメンテナンス技法が売り込まれているのが理由である。
これらの技法は同じ現場で重ねて使用できないものが多い。また、石材の種類により効果のないものが多い。これらの欠点、注意点を、販売業者が余りよく説明しないのが原因といえる。
また、ビルメン業者は他社他業界の技法を知らず、ダイアモンドパット技法しか知らない場合が多い。特にダスキンなどの技法についての知識がない。これは今まで下請け業者に丸投げしていたのがその理由である。しかし現在は価格の面で下請けを使えなくなっている。
研磨自体も行われなくなりつつある。なぜならば石自体の価格破壊により、研磨より交換のほうが安くなっているからだ。それどころか、ライムストーンなどの新石材は、十分な撥水剤を使うと石材の価格を超えてしまう。
そのため最も低価格なワックス塗布技法が増えている。
その理由は――
1: バブル時の石材が適当に荒れだしているため、ワックスの密着度が上がっている。 その反面、研磨の必要性が増加しているが、価格の問題がある。 2: ポリエステルなどによる裏打ち石材が増え、白系の石材は裏面にワックスが塗布されている。 石は息をしなくなっている。「石は息をしているから」という理由で全て撥水剤にするのは、現在では無意味になりつつある。 3: 6ミリ圧等の薄板が中国で低価格生産されている。 これらは裏側にプラスチック、金属が使用されている。 4: また、ワックスメーカーも撥水剤系の樹脂ワックスを発売している。 この系統は従来のワックスと基本的に相反するため、使用に注意が必要であるが、販売業者がその知識がない場合があるために、後々のクレームにつながる。 |
![]() ポリエステルとガラス繊維による裏打ち 40年前には35ミリの厚さがあった石材は12ミリまで薄くなっている。 このため割れやすい石材は裏打ちが行われている。 |
![]() 大型の薄板製作技術は西ドイツが進んでいたが、この技術が中国に移り、3ミリから6ミリの大判薄板の価格破壊が起きている。 |
石材艶戻し技法は低価格競争であり、ほとんどの場合見積もり合わせになるため、各種の技法の受注価格と特徴を知る必要がある。
以下、広い意味での研磨法の一覧と注意点を示す。
技法 | メーカー、販売店 | 施工業者 | クレーム原因 |
ワックス塗布 | ワックスメーカー各社 | ビルメン各社 | 撥水剤が塗布されている場合 |
撥水剤 | ジョンソン、信越シリコーン、 ダイキン(ミヤキ、紺商) |
ビルメン各社 | ダイヤ研磨以外は使用できない 効果の持続期間のクレームが多い |
珪弗化処理 | 3M、ペンギン | ビルメン各社 | 大理石系のみ 石種と凹凸による効果の差が大きい |
蓚酸砥石法 | 現在輸入品が多い フランチャイジー業者が多い |
ダスキン ベストハウス |
大理石系のみ 石種と凹凸による効果の差が大きい |
ダイヤモンド研磨 | 三和研磨 ノリタケコーテッド |
ビルメン各社 | 状況により工程差、コスト差が大きい |
注1:受注価格は元受で2000円以下。
注2:段差のある場合は赤字になる例が多い。タンク付8インチを使用して段差をとる。
注3:3M、ペンギン、システムは石材の種類により、非常によい場合がある。
最近のセールスがあまりにしも見分けができないのが、普及しない原因である。
また塗布剤の見分けができない。
注4:ダイアパットをできるだけ低価格で入れることと、荒めの場合研磨剤を使用しないと利益が出ない。
注5:見積もり時、艶のなさより傷の深さに注意。
注6:全体の工程数が問題であり、部分的工程数ではない。これの見積もりにより利益が出る。
注7:保護剤の上から施工して失敗する例があまりに多い。
写真:
8インチによる研磨