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ウールカーぺットの紡捻油クレーム

ビルメンテナンス情報
ウールカーぺットの紡捻油クレーム

著 木村光成 先生

 自然にやさしい生活の流行で、ウールや綿などの自然素材が多く使われている。そして色調は癒しを表す白からパステル調が主流である。
同時にバブル期以後減少したウールカーぺットも最近では増加の傾向にあるが、この10年間でウールカーぺットのメンテナンス技術が失われていることも関係して、ウール特有のクレームが増加している。
今回はウールカーぺットの紡捻油クレームをについて述べる。

通常ビルメンが対応しているタイルカーぺットのタフトは、BCFナイロンと呼ばれる繊維で作られている場合が殆どである。これは1本のナイロン糸で、ガラス棒のように見える(写真1)。
 これに対して、ウールは短い繊維を何本も集め、それに撚りをかけ糸にして、その糸でカーぺットのタフトを構成している。
ウールカーぺットは遊び毛が出るのが特徴で、このためアップライトバキュームは使用できない(写真2)。数週間から数ヶ月バキューム作業を行うと、少しずつ遊び毛が出なくなる。


このウールの糸を作る工程を、紡績工程と呼ぶ。
この時、ウールの綿をほぐして糸を作る作業を容易にするために「紡捻油」という油を加える。この油は取り去りにくく残留しやすい。そして、これが残留すると、その部分に汚れが付着して筋状の汚れが現れる。これが紡捻油クレーである。
この事故を防ぐため、洗い出し処理済みの表示のあるカーぺットが増えている。
このクレームはビルメンの責任ではない。
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