『マルタカ』の事例メモ その26-石材補修・再生-
石材ドクター・杉本治郎『マルタカ』の事例メモ
その26 -石材補修・再生-
物件名 : | フランス人石碑(横浜・外人墓地) |
石材材質 : | 白御影石 |
目的 : |
経年の汚れ除去。 横浜市内の石屋さんからの依頼。 汚れが酷い状態だが、こういう依頼こそ張り切るもので、綺麗になると嬉しいものです。 しかし外柵を洗い出すと様子が違います。いくら洗っても真っ黒なのです。 よく観ると、表面にコールタールが塗ってあり、これは落ちません。石屋さんの社長が来ていたので「どうしますか?」と尋ねると「一緒に綺麗にしたい」とのこと。 剥離液を使い、コールタールを落として再洗浄。どうにか下地が見えました。 |
使用器具 : |
高圧洗浄機(200kg)、ゴム手袋(二重重ね、事前に穴の有無をチェック)、 ハケ(タイル洗浄の塩酸バケ)、防護眼鏡(最近使い始めました→必要です) |
使用薬液 : |
弗化系薬液、リン酸、重炭酸ナトリウム、剥離液(自社製) (注)頑固な水アカ汚れは弗化系 錆などの除去はリン酸系 |
作業概要 : |
弗化系は、薬液を石に塗布する時はもちろん、必ず事前に水養生をします。 石には当然ですが、廻りにも水を打ち、飛散した薬液がかかっても被害が出ないようにします。直にかかるような場所は、当然キチンと養生しておきます。 薬液の塗布後は、汚れの落ち具合をみて薬液を軽く洗い流し、その後、中和液を塗布します。泡などの反応が起きますから、その後軽く水を流してから本格的に高圧洗浄をかけます。 洗浄後は飛散した汚水を洗い落とすため、廻りにも散水して終了とします。 今回は酸→アルカリの順で使用していますが、状況により、アルカリ→酸の順で使用することもあります。 大事なことは、ゴム手袋は全て片付け終えた後に外すことです。 |
エピソード: |
鎖に繋がれた外柵の石が、金物を被ったところで折れて落下。 持ち上げることが出来ない重量で、後で直してもらいました。痛んでいたんですね。 |
作業前 |
作業後 |
作業前 |
作業後 |